先日、大阪中小企業投資育成株式会社様にて、約40名の経営者・管理職の皆様を対象に「業務に活用できる生成AI活用セミナー」を開催させていただきました。
生成AIというと、まだ一部の先進企業だけが使っているイメージを持たれがちですが、実際には中小企業でも“すぐに効果を実感できる”事例が増えています。
本記事では、当日の内容を振り返りながら、生成AIを「経営にどう生かすか」という視点で整理し、AI導入の第一歩を考えるヒントをお伝えします。
1. 経営者・管理職が感じた「生成AIのリアル」
セミナー当日は、製造業、建設業、サービス業など、幅広い業種の経営者・管理職の方々にご参加いただきました。
生成AIという言葉は聞いたことがあっても、「どのように業務に使えるのか」「何から始めればよいのか」までは、まだ手探りという方が多い印象でした。
実際に、ChatGPTやMicrosoft 365 Copilotなどを用いた業務改善のデモをお見せしたところ、
「こんなに早く作業ができるのか」
「普段の報告書作成が楽になりそう」
「社内でさっそく試してみます」
といった声を多くいただきました。
生成AIは、単なる流行ではなく「経営の仕組みを変える新しい道具」だと感じていただけたのではないかと思います。
2. 生成AIは「目的」ではなく「手段」
セミナーの中で特にお伝えしたのは、
「生成AIは手段であり、目的ではない」という視点。
AIを使うこと自体が目的化してしまうと、ツールの導入に時間とコストをかけたのに成果が出ない、というケースに陥りがちです。
本来、AI活用の目的は次のような経営課題の解決にあります。
- 業務の効率化(作業時間の削減、ミスの減少)
- 属人化の解消(マニュアル整備、ナレッジ共有)
- 顧客対応力の向上(スピード・品質アップ)
- 人材不足の補完(省人化・自動化による負担軽減)
AIは、これらの課題を「現実的に、少しずつ解決するための手段」です。
経営者自身が「自社の課題」と「AIの可能性」を結びつけて考えることが、成果を生む第一歩になります。
3. 活用のカギは「業務の棚卸」
どの業務に生成AIが役立つのかを判断するためには、まず業務の棚卸が欠かせません。
AI導入支援の現場でよく見られるのが、「どの業務をAIに置き換えられるかが分からない」という課題です。
たとえば以下のような業務を整理すると、AIの導入余地が明確になります。
| 業務分類 | 内容 | 生成AIでの活用例 |
|---|---|---|
| 企画・提案 | 提案書、プレゼン資料作成 | 構成案の自動生成、文章校正 |
| 営業・広報 | SNS投稿、メール文作成 | 自動ライティング、要約生成 |
| 総務・人事 | 規程整備、教育資料 | 文書整理、ナレッジQ&A |
| 製造・建設 | 作業マニュアル、報告書 | テンプレート作成、要点抽出 |
このように業務を「見える化」することで、AI活用の優先順位や投資効果を判断しやすくなります。
4. 中小企業診断士だからこそできるAI導入支援
私自身、中小企業診断士として長年、業務改善や原価管理、組織づくりの支援に携わってきました。
その中で感じるのは、「AI導入はITの問題ではなく、経営の問題」であるということです。
AI導入を成功させるためには、
- 業務プロセスを分析する力(ECRS:Eliminate, Combine, Rearrange, Simplify)
- 経営課題と業務改善を結びつける力
- 組織内の理解・浸透を支援するコミュニケーション力
が必要です。
これらはまさに、中小企業診断士の専門領域です。
単なるツール紹介ではなく、「経営全体の仕組みづくり」まで踏み込んで設計できる点が大きな違いになります。
5. セミナー参加者の声と反応
セミナー後のアンケートでは、次のような感想をいただきました。
「AIは自分には関係ないと思っていたが、身近な使い方を知れて実践のイメージが湧いた」
「報告書や議事録作成など、すぐに使える内容ばかりで助かった」
「AIを導入する前に、自社の業務を整理する重要性が分かった」
特に、「AI=難しいもの」という先入観が取り除かれたことが印象的でした。
多くの参加者が「まずは試してみよう」という前向きな姿勢に変わったことが、何よりの成果でした。
6. 今後の展開:AI導入を“企業文化”に
AIは導入して終わりではありません。
使い続け、改善を積み重ねることで初めて「成果」が生まれます。
そのためには、
- 社内でAIを活用するリーダーを育成すること
- 定期的に活用事例を共有し、成功体験を広げること
- 経営層自らがAIを使い、変化をリードすること
が欠かせません。
今後も、私は経営者・現場の両方に寄り添いながら、AI導入を「経営文化」に変えていく支援を続けていきます。
まとめ
生成AIは、もはや一部の大企業だけのものではありません。
中小企業こそ、AIによって「人手不足の解消」「業務効率化」「付加価値向上」を実現できるチャンスがあります。
そして、その第一歩は「業務の棚卸」と「目的の明確化」から始まります。
防災士として“安心安全な場づくり”に取り組んでいるのと同じように、AI導入においても“安心して使える仕組みづくり”が大切です。
経営者の皆様が安心してAIに挑戦できるよう、引き続き支援を続けてまいります。









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