こんにちは。三重県の中小企業診断士で経営支援、組織研修や業務改善研修をしていますエスモットです。
先日、知り合いの税理士の方と、気づけば2時間以上話し込んでいました。テーマは「整理整頓と利益の関係」。
普段は経営の数字を見ている税理士の方から、こんな言葉が出てきました。
「整理整頓ができていない事業所は、やっぱり利益率が低いんですよね。肌感覚ですけど、これは間違いないと思っています。」
私も同じことを感じていました。業務改善の支援で現場に入ると、モノが溢れ、何がどこにあるか分からない職場ほど、「もったいない時間の使い方」をしていることが多い。その話をしたら、お互いに「そうそう!」と盛り上がってしまいました。
でも、「整理整頓ができていないと利益が下がる」——このことを、なぜ?どういう仕組みで?と説明できる人は意外と少ない。感覚では分かっているけれど、言葉にならない。
このシリーズでは、その「なぜ」を丁寧に解き明かしていきます。
「整理整頓=きれいにすること」ではない
まず大事な前提から。
整理整頓(5S活動)というと、「床を掃いてきれいにする活動」と思われることがあります。でもそれは表面的な理解です。
本来の意味はこうです。
- 整理:必要なものと不要なものを分け、不要なものを取り除く
- 整頓:必要なものを、必要なときに、すぐ取り出せる状態にする
- 清掃:汚れをなくしながら、設備や環境の異常を発見する
- 清潔:良い状態を標準化して維持する
- 躾:ルールを守り続け、改善を習慣化する
特に重要なのは「清掃は点検である」という考え方です。掃除をしながら、機械の緩みや油漏れ、異音などの異常を見つける活動として位置づけられています。
つまり整理整頓は「きれいにする活動」ではなく、「異常と正常が一目で分かる工程をつくる活動」なのです。
利益と整理整頓は「直結」しない。でも「確実に関係している」
税理士の方と話していてたどり着いた、一番大事なポイントをお伝えします。
整理整頓をすれば、すぐに売上が上がるわけではありません。整理整頓が良くなっても、商品が売れなければ利益は出ません。ここを勘違いすると、「整理整頓しても意味がない」という誤解に繋がります。
でも、こう考えてみてください。
整理整頓は、利益を「増やす」のではなく、利益が「漏れている穴」を塞ぐものだ。
売上が同じでも、無駄な動き・探し物・不良品・在庫の腐れ・設備の故障——これらが減れば、コストが下がり、残る利益が増えます。整理整頓はまさに、その「見えない穴」を見えるようにして、塞ぐための仕組みです。
このシリーズで扱うこと
連載全5回で、次のことを順番に説明していきます。
- 【第1回・本記事】税理士との対話から始まった問い
- 【第2回】整理整頓が利益に効く理由・前編(生産性・品質コスト)
- 【第3回】整理整頓が利益に効く理由・後編(在庫・設備・安全)
- 【第4回】データが示す5Sの効果(製造業・医療・物流の実例)
- 【第5回】整理整頓の効果を数字にする方法(KPIとROI計算)
「整理整頓は大事だと分かっているが、なぜ大事なのか経営的に説明できない」という方に、特に読んでほしいシリーズです。
次回は、「毎日・全従業員・全工程で発生している見えないコスト」の話をします。
【経営支援・業務改善のご相談】
中小企業診断士・数本優(エスモット)は、三重県名張市を拠点に経営支援・組織研修・業務改善の支援をしています。お気軽にご相談ください。



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